「UGC」って何?なんとなく分かっているつもりの基本的なマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!

 


 
(2020年2月3日情報更新)

用語説明:【UGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ) 】

ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称。
SNS、ブログ、動画投稿サイト、写真共有サイト、イラスト投稿サイト、電子掲示板(BBS)、プロフィールサイト、Wiki、ソーシャルブックマークなどの各種ソーシャルメディアに、書き込まれたり投稿されたコンテンツや、それらに対する感想、レビューなどのコメントも含まれる。
 

解説

SNSが普及、UGCは生活者の購買意欲に強い影響を与える存在に

高性能なデジタルデバイスの登場、ネット環境の高速かつ大容量化、それにより誰もがリッチコンテンツを簡単に制作・配信できるようになったこと…などの変化を背景に、2000年前後から、UGCは「ネット上の重要なコンテンツ」として注目されてきました。
特に、Instagram台頭以降、UGCは「生活者の購買意欲喚起」に大きな影響を与えている存在としても注目が集まっています。実際、米国のアンケートでは「63%の生活者が、購入前に商品のUGCをSNSで探している」といった調査結果も出ています。

出典:Olapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide』

マーケティングにUGCを活用、大きな成果に繋がる事例も誕生

こうしたUGCを、「生活者の共感を呼び起こし、購買行動に影響を与える強力なコンテンツ」として、積極的に企業のマーケティング活動に取り入れていく流れが活発化しています。

・企業のLanding Page(LP)やECサイトなどのオウンドメディアにUGCを掲載

LPやECサイトにUGCを掲載することにより、サイトに訪れたユーザーの購買意欲を喚起できる。また、自社サイトに来たユーザーがそのサイト内で口コミを参照できるため、他サイトへの離脱を防止する効果も働く。制作にかかるコストを最小限に抑えた上で自社サイトのコンテンツをリッチにすることも期待できる。
<事例>UGCを活用しCVR1.27倍!D2CコスメDINETTEのマーケティング戦略【Letro】

・SNS広告クリエイティブとしてUGCを活用

SNS広告のクリエイティブにUGCを活用することで、SNSのフィードになじみユーザー文脈で受け入れられるクリエイティブを手に入れることができ、結果として大きな広告効果の向上につながりやすい。また、デジタル広告では大量のクリエイティブを投下しPDCAを回していくことが求められるが、UGCを活用することにより、自社の制作リソースを使わずに大量の素材を手に入れることも期待できる。
<事例>UGCを広告クリエイティブに活用して獲得件数10倍、CPA約3分の1に削減。制作コストもスリム化【Letro】

・SNS公式アカウントの投稿素材にUGCを活用

SNS公式アカウントの投稿素材にUGCを活用することで、SNSのフィードになじみユーザー文脈で受け入れられるクリエイティブを手に入れることができ、結果として公式アカウントのファンとのエンゲージメント向上につながりやすい。また、ファンのUGCを公式アカウントが紹介することにより、ファンとのコミュニケーションが発生し、結果としてファンからの愛着度が高まることも期待できる。
<事例>キリン株式会社:公式Instagramアカウント運用にUGCを活用してエンゲージメントを平均135%改善【Letro】
 
しかし、自然発生的なUGCは、企業がコントロール出来るものではなく、そのクオリティーレベルも玉石混交であり、既存メディアの二次利用など権利関係に問題がある場合もあります。そのため、企業はUGCを活用する段階で、どのUGCを活用するかをしっかり吟味し、ユーザーからもきちんと許諾を取得することが必要です。また、そもそも、マーケティングに活用出来るUGCを生成するためには、企業自らが積極的に関与していく必要があります。
 

企業が考えるべきUGC創出の3つの観点

企業がUGC生成に関与する方法として、具体的には以下のような手法が考えられます。

・日頃からのファンや既存顧客とのコミュニケーション

店頭での接客、通販での商品配達時の梱包や同梱物、メールマガジン、公式SNSアカウント上でのコミュニケーションなど、ファンや既存顧客とのあらゆる接点でUGCが発生するきっかけ作りをする。一つ一つの顧客接点でプラスの体験を創りだすことはもちろん、ソーシャルメディア上にUGCが投稿されやすいようオリジナルハッシュタグを作って店頭に表示する、店内に思わず撮影&SNS投稿したくなるようなスペースを設ける、同梱物やメールマガジンでも投稿を促す、特定のハッシュタグのユーザー投稿を公式SNSアカウント上でも紹介するなどの工夫を続けることも求められる。

・ソーシャルメディア上でのハッシュタグキャンペーン

ソーシャルメディア上で特定のハッシュタグを付けて投稿したユーザーに抽選で賞品をプレゼントするキャンペーンを行うことでUGC生成を促す。キャンペーンの企画設計に工夫が必要なこと、インセンティブを用意したり特定のツールを用意するためのコストがかかるが、短期間で多くのUGCを生成できる。
<参考>インスタグラムのハッシュタグキャンペーンを盛り上げるための5つのポイント

・インフルエンサー施策

ソーシャルメディア上で影響力を持つインフルエンサーに商品を体験した感想や写真をSNSに投稿してもらうことでUGCを生成する。但し、インフルエンサー投稿時には、ステルスマーケティングにならないよう、関係性の明示をしっかりと行うように注意する必要がある。また、一度に同じようなインフルエンサー投稿が大量に発生した場合などは逆に消費者からの反感を買う可能性もあるため、きちんとブランドを理解し信頼関係をもって案件を進められるインフルエンサーへの依頼を行うことが重要である。
 
 
このような手法でUGC生成を推進する際に、企業は常に「分析」、「支援」、「拡散」の3つの観点で施策の確認をすることが大切です。

・分析

ソーシャルリスニングなど、すでに発生しているUGCを分析できているか。ユーザーの興味・関心を理解し、共感を得やすいテーマや文脈を十分に考えられているか。

・支援

ユーザーがコンテンツを作りたくなる“ネタ”や素材を用意できているか。コンテンツを生成・発信しやすい環境やツールを提供できているか。

・拡散

ユーザーが作ったコンテンツをまとめたり、話題になりやすい切り口を与えるなどの加工をして、SNSで他のユーザーに情報拡散しやすい仕組みを構築できているか。
 

良質なUGCはユーザーのエンゲージメントありき

しかし、企業がどんなに工夫して積極的にUGC生成を働きかけたとしても、そもそもユーザーが、その企業のブランドや製品、サービスにアフィニティ(Affinity:親密感)や愛着を感じていなければ、マーケティング効果の期待できる、熱量のあるコンテンツを生成することは出来ません。
コンテンツの重要度がますます高まっている今、良質なUGCを創出するためには、やはり日頃から真摯にユーザーに向き合い、ユーザーとの間のエンゲージメントを醸成しておくことが大切だと言えるでしょう。
 
 
●UGC活用を初めてスタートする方に!【UGC活用スタートのためのチェックリスト】

 
InstagramのUGCの生成・収集・活用・最適化により顧客獲得効率の最大化を支援するUGC活用ツール【Letro】

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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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