最近良く聞く「ショールーミング」という言葉、あなたは誰かにきちんと説明できますか?なんとなく分かっているつもりの今どきマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!
用語説明:【ショールーミング(Showrooming)】
実店舗で商品の下見をし、現物のサイズや性能の確認を行うが、その店舗では買わず、確かめた商品の購入をオンライン上で行う購買行動のこと。
価格比較サイト、ECサイトの浸透、さらにはスマートフォンの普及により、店頭にいても簡単に商品購入時の価格や特典を他店(EC)と比べることができるようになったことで、生活者の間では当たり前になりつつある。
店頭がショールーム(展示場)のように利用されることが由来になっている。
解説
特に家電業界やアパレル業界で顕著になっており、小売店は売上減につながるため、問題視されています。小売業界にとっては、ECなどとの顧客・売上の奪い合いが加速し、打撃として捉えられている一方、お得に買い物をしたい生活者にとってはメリットが多いため、”ショールーミング→ネットで購入”という手段を取る傾向は、しばらくは歯止めが効かないだろうと考えられています。
分かれる企業の対応
この流れの中で、企業の対応は大きく以下2つに分かれています。
1. 実店舗での施策に注力し、実店舗への送客・小売店での購入を促す
2.ECと店頭の連動を強め、自社全体の売り上げupを目指す
1.は、来店することで使用できるクーポンをオンラインで配布したり、来店ポイントを与えるスマホアプリを活用したりする、「O2O(Online to Offline)」に注力するケースです。
ただ単に来店の機会を増やすだけでなく、店頭での購買意欲を高める工夫をする必要があります。店頭でのクーポンやアプリの告知・操作方法の周知等をはじめ、スタッフの接客サービスの向上まで求められます。
購入を急いでいる人や、店頭スタッフの知識やアドバイスを頼りに購入を決定づけたい顧客にとっては歓迎されやすいのではないでしょうか。
例)GU http://www.gu-japan.com/
GUビックロ新宿東口店では、ショップそのものやフィッティングルームにもテーマ性を持たせ、”ショッピング空間”を楽しんでもらう作りを行っています。
また、店内に設置された仕掛けにスマホをかざすと抽選でクーポンが当たるキャンペーンや、モバイルクーポンの配布など、Web特にモバイルと連動した来店促進企画が話題になっています。
参考:脱ショールーミングへの挑戦
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_55888/
2.の場合は、店頭で接触機会のあった生活者が、たとえWebに流れても自社の販売チャネルから購入してもらえるよう囲い込む、「オムニチャネル」戦略をとるケースです。
自社商品であれば、ショールーミング後にECサイトからの購入となっても、会社全体の売り上げに貢献できるので、店頭の売り上げにこだわらない、という姿勢ともいえます。
ただしこちらは、”店頭→ネット購入”のルートに限らず、各チャネルをシームレスに統合し、どの接点を経由しても自社での購買を選んでもらえるよう、進めることが重要です。
例)WEAR http://wear.jp/
アパレル通販モールのZOZOTOWNによるファッションコーディネートアプリ「WEAR」。
目玉は、リアルのアパレルショップと連動したバーコードスキャン機能。WEAR提携店舗で気になる商品のバーコードをアプリで読み取ると、商品情報や、そのアイテムを使ったコーディネートを探すことができます。
その場で購入に至らなくても、後日ZOZOTOWN経由でその商品の購入を後押しする可能性を見込んでいます。
上記どちらの対応もメリット/デメリット、業種による向き/不向きはあると思います。
またいずれにせよ、Webだけ・店舗だけでは成立せず、各タッチポイントでの連携・連動が必須だということを認識しておかなければ、上手くいきません。
ショールーミングの大きな潮流を既に無視できない以上、機会損失を防ぐために、どんな対策を講じるのが自社にとってベストか、比較・検討してみてください!
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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながら
エッセイ、イラスト、デザインなども手掛け、
現在は自身のFacebookページも運用中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
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テキスト執筆:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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