「インフルエンサー」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

 
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。
 



 
(2019年11月20日情報更新)

用語説明:【インフルエンサー(Influencer)】

影響、感化、効果を意味する「Influence」を語源とし、世間に大きな影響力をもつ人や事物を指す。具体的には、好感度の高いタレントやファッションモデル、スポーツ選手や、特定分野に詳しい専門家や知識人、インターネット上で強い影響力を持つ個人ブロガーなどが挙げられるが、マーケティング会社のブルーカレント・ジャパンでは、「コミュニケーション力」「信頼獲得力」「情報伝播力」をすべて備えた消費者と定義している。
最近では特に、SNSなどのインターネットの消費者発信型メディア(CGM)において他の消費者の購買意思決定に影響を与えるキーパーソンを指すことが多く、「YouTuber」や「インスタグラマー」、「Tiktoker」など各メディアにおいて影響力を持つキーパーソンを表す用語も生まれ、一般化している。
2002年に出版されたマルコム・グラッドウェルの『The Tipping Point(邦題:「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」)』によって、商品やブランドがターゲットとするコミュニティやセグメント内において、周囲に影響を与える人物を見つけ、彼らに対して一次的にアプローチする「インフルエンサー・マーケティング」が注目されるようになった。
 

インフルエンサーマーケティングの一般化に伴う消費者の変化

企業のマーケティングメッセージがあふれる現在、消費者は企業側からの広告メッセージよりも、同じ消費者としての立場から発信された体験談や評価などの口コミを重視して、商品の価値を見極める傾向が強くなっています。
ここ数年急激に発達してきたSNS、ブログメディア、動画サイトなどのCGM(Consumer Generated Media: 消費者生成メディア)によって、多くの消費者が口コミの情報検索を簡単に行うことができるようになり、メディア接触意向が変化し、情報流通において口コミの起点や“増幅器”となるインフルエンサーの存在は企業にとっても欠かせないものとなりました。
しかし一方で「インフルエンサーマーケティング」という言葉が定着し、企業側が影響力のある特定のインフルエンサーに案件依頼を集中させたり、一度に大量のインフルエンサーに同じ情報の投下を促したりするケースが増えるにつれ、インフルエンサーによるオススメ商品情報に反発したり、冷ややかな受け止め方をしたりする消費者も増えてきました。消費者と対等な立場を装ったブロガーに報酬を与え、商品やサービスの評判を高める情報を書かせる「やらせ」ブログなど、いわゆるステルス・マーケティング(ステマ)に発展するケースもいまだに散見されています。
 

インフルエンサーは多角化・多様化の方向へ

このような背景において、「フォロワー数が多い=よいコンテンツを提供している=マーケティング効果が高い」という図式は必ずしも当てはまらなくなり、「コスメ」「グルメ」「ファッション」「ゲーム」「ママコミュニティ」など、より特定の興味関心軸のコミュニティに影響力を与えるインフルエンサーが求められるようになってきました。
玉石混交の情報の中から自分が必要とする情報取得の効率化を求めたユーザーは、InstagramやTwitter、Facebookなどで繋がった身近な人とのコミュニケーションの中で、自分の感性や価値観に合った、またライフスタイルに近いインフルエンサーを見つけるようになり、嗜好性の近い小さな圏域で他者に影響をもたらすマイクロインフルエンサーのほうが、心情的な繋がりをもとにした共感力、伝搬力が高い傾向があることがわかっています。

【インフルエンサーの種類と特徴】

かつては下図三角形の上部:フォロワー数の有名人やトップインフルエンサーに注目が集まっていたが、昨今はフォロワー数が少なくてもより周囲に深く影響を与えやすいマイクロ・ナノインフルエンサーに対するニーズが高まっている。
 

※アライドアーキテクツが独自に作成したもの。正式な定義はなく、各メディア等により説明は異なる。
 
・有名人
フォロワー数は100万人以上で、SNS上で絶大な影響力がある。TV出演している芸能人や有名な著名人などが多い。
(例)日本におけるInstagramフォロワー数第一位:渡辺直美さん(約890万人、2019年11月時点)
・トップインフルエンサー
フォロワー数は10万人~100万人、SNS上で絶大な影響力を誇り、一部はテレビなどのマスメディアや書籍出版などSNS以外でも活躍している。特定のコミュニティでフォロワーから支持を集めているため話題になりやすい。
・マイクロインフルエンサー
フォロワー数は1万人~10万人。特定の分野に特化していることが多いため、専門家としての信頼感があり、エンゲージメント率も高い。
・ナノインフルエンサー
フォロワー数は1000人~1万人。マイクロインフルエンサーよりも狭い、もしくはニッチなコミュニティで影響力がある。特定のコミュニティでの影響力が高いためフォロワーからのエンゲージメント率が高い。
 

マイクロインフルエンサーの選び方と上手な関係の築き方

マイクロインフルエンサーによる影響は身近なコミュニケーションの範囲での限定的なものであり、1回で大きな効果を産み出すものではありません。顧客と商品(または商品に関する情報)の接触回数が3回を超えると顧客が商品の存在を認知し、7回で商品を手にとり購買を検討するという「セブンヒッツ理論」を参考にすれば、商品の評判を良くしたり、購入の機会を増やす取り組みとして、ターゲットとなる消費者に様々な角度から影響を与えることが出来るマイクロインフルエンサーと、継続的かつ多角的にコンタクトして対話をし、そのネットワークに自社の情報を拡散するという事はこれからとても重要になってきます。
そのためにはマイクロインフルエンサーの中から”どの人物を選ぶのか”、”なぜその人物を選ぶのか”が大切であり、あくまで「自社にとってのインフルエンサーであるか」で判断するべきです。影響力の少ない人でも話す価値のある人がいれば積極的に対話をしていく姿勢が必要ですし、影響力のある人にだけ媚びるような姿勢が他のユーザーに見透かされれば、「この企業はフォロワー数で判断する」というネガティブなイメージを与えてしまうため、バランス感覚が重要となってきます。
また、マイクロインフルエンサーは個人の趣味・嗜好によって情報発信の意欲が大きく左右されるため、特定企業が商品の魅力を継続的に発信してもらうことはなかなか難しく、結果として効果も限定的なものになりがちです。そのため単なる商品訴求ではなく、その周縁の“興味・関心テーマ”に拡大する手法を考える必要があります。趣味性やライフスタイルなどの世界観を提示することでより強い情報発信意欲を喚起し、マイクロインフルエンサーがフォロワーを巻き込みやすい環境を創ることが出来るでしょう。
 
【企業×マイクロインフルエンサー・ナノインフルエンサー】の成功事例はこちら

 
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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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