ユーザーに新商品・新企画の発表についてソーシャルメディアで盛り上げてもらいたい!プロモーション企画の参考になる9つの事例をご紹介します。
こんにちは、SMM Labの小川です。
自社の新商品や新企画の発表について、ユーザーにソーシャルメディア上で話題にしてもらい、盛り上げてもらいたい!皆さん一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
従来から、影響力のあるブロガーを新商品発表会に呼び、ブログやTwitter等のソーシャルメディアで発信してもらうことでクチコミの広がりを図ったり、また新商品発売に合わせて、ソーシャルメディアを活用したプレゼントキャンペーンで盛り上げたりする方法が取られてきました。最近はそれに加えて、Facebookページやmixiページ等の「ファンとつながっていられる場」を上手に活用している例も見られます。
そこで今回は、新商品・新企画の発表をソーシャルメディアで盛り上げるに当たり、ぜひ参考にしたい9つの事例をご紹介します。
DSC_8889 / MacKinnon Photography
■新商品・新企画の「発表前」を工夫する
ファンの「早くどんな商品・企画なのか見たい!」期待感を醸成
・事例1:ファンによる「早く見たい!」で新商品発表日を繰り上げ/Sony Mobile(XPERIA)
URL:https://apps.facebook.com/sonyxperiahub/global/fast-forward
参考記事:http://www.xperiablog.net/2012/06/11/sony-mobile-to-announce-new-handsets-on-22-june-or-earlier-depending-on-you/
Sony MobileのFacebookページでは、新Xperia スマートフォン発表へのカウントダウンを実施。さらにこのカウントダウンには、Facebookのファンが「早送り(fast forward)」ボタンを押せば、元々6月22日予定の発表日が1クリック20秒ずつ早くなる仕掛けを取り入れました(一日に早送りを押せる回数には上限あり。また押すためにはFacebookアカウントが必須)。結果的に、25, 914人のファンがクリックを実施し、9日4時間58分も新商品の発表が早まったそうです。
・事例2:カバー写真+投稿で新企画前に盛り上げ/チロルチョコ株式会社
URL:https://www.facebook.com/TIROL.jp
チロルチョコ株式会社は、Facebookページ上で『マイチロル』の無料モニター500名を募集するに当たり、その10日ほど前からFacebookページの「カバー写真」を徐々に変更(上図の左)、さらにタイムラインへの投稿で「チロルチョコこれまでにない新企画発表まであと○日!!」とカウントダウンを実施。ファンから非常に多くの反響があり、新企画発表前に、ファンとのエンゲージメント向上、そしてFacebookページとしてのエッジランク向上に成功し、新企画発表タイミングでリーチの最大化を図ることができたそうです(2012年6月13日 アライドアーキテクツ株式会社主催 SMM Labセミナーより)。
新商品をあえて発売前に先に見せて、「早く欲しい!」「早く実物を見たい!」期待感を醸成
・事例3:発売前にファン限定でサンプリングを実施/Burberry
参考記事:http://socialcommercetoday.com/smells-like-f-commerce-burberry-body-launches-with-pop-up-facebook-tryvertising-store-images/
ファッションブランドのBurberryは、Facebookのファン限定でいち早く新しい香水の無料サンプリングを実施。また無料サンプリング用の画面上には発売日までのカウントダウン・タイマーを表示しました。Burberryが無料サンプリングの対象を「Facebookファン限定」にする理由は、Facebookのファンはもともとブランドに好意を持ってくれている人たちであり、その人経由での周囲へのクチコミに最も期待できるからとのこと。
・事例4:発売前からFacebookページ上でいいね!なスペック投票アプリを公開 ページ投稿でも積極的に機能を紹介して期待感を醸成/TOYOTA 86
URL:https://www.facebook.com/pages/TOYOTA-86
トヨタのスポーツカー「TOYOTA 86」は、2012年4月6日の発売に向け、その前年の2011年11月よりFacebookページをオープン、同時に自分の好きなスペックにいいね!ができる「86 social catalog」というアプリを公開しました。さらにこのアプリページには、各スペックに対する「いいね!」数に応じてスペックを紹介する面積が大きくなり、いま注目されているスペックがひと目で分かる仕掛けも用意。タイムラインへの投稿でも、搭載機能や、開発者コメント、試走の様子を映した動画等を紹介し、2012年4月6日発売日の投稿には非常に多くのいいね!コメント、シェアが集まりました。
商品開発をファンと一緒に実施して盛り上げ
・事例5:ファン40万人と一緒に商品開発!/Vitamin Water
URL:https://www.facebook.com/vitaminwater
参考記事:http://blogtimes.jp/blog/2009/11/380.html
2009年にVitamin WaterのFacebookページで実施された非常に有名なプロモーション。これは、Facebookのファンに「商品開発の過程」に参加してもらう試みで、ファンはFacebookアプリ内で、Vitamin Waterの新商品候補の中から好みの風味を選んだり、また欲しい栄養素や商品名・ラベル・広告案などの提案ができたりするというもの。最終的にはその中からデザインコンテストで優勝者を決定。同プロモーションには40万人のファンが参加したとのことで、発売前から大いに盛り上がるものになったようです。
■新商品・新企画の「発表時」を工夫する
新商品発表に合わせた「時間限定生ライブ」キャンペーンで盛り上げ
・事例6:新商品発表会中継をUstreamとニコニコ動画で実施。あわせてFacebook限定生ライブキャンペーンも開催/ソフトバンクモバイル
URL:https://www.facebook.com/SoftBank
ソフトバンクモバイルは、新商品発表会の生中継をUstreamとニコニコ動画で実施。あわせてFacebookページ上で、生中継開始直後から2時間半限定、クイズに答えて賞品が当たる「LIKE!LIVE!キャンペーン」を開始しました。同クイズのヒントを生中継の中で紹介する等の工夫もされており、多くの人から注目を集めたようです。
・事例7:mixi上だけで新商品発表会を開催 無料クーポン配布も/ネスレ日本 KitKat
参考記事:http://markezine.jp/article/detail/11533
ネスレ日本は、37年ぶりに大幅リニューアルした「キットカット」の新商品発表会をmixi上のみで実施(2010年秋)。mixiアプリ内で、キットカット大使の「赤木 芽衣沙」と記念撮影を行った先着1万名に「キットカット」1 個と交換できるクーポンをプレゼント、さらに1万名の当選者がmixi内アプリ「KIT KAT Town」内で日記を書くことで、その日記を見てプレゼントページに誘導するURLをクリックした先着2名のマイミク(友人)に、「キットカット 無料クーポン」をプレゼントするというもの。発表会は夜の22時にスタート、開始前から22万名を超える行列ができ、開始から1時間以内に約87万アクセスを集めたそう。
■新商品・新企画の「発表後」を工夫する
キャンペーンを活用して新商品への啓蒙を実施
・事例8:Facebook上で新商品にまつわるクイズキャンペーンを実施/ミツカン お肉をおいしくするお酢
URL:https://fbapp.monipla.jp/campaign/detail/908
ミツカンは、「お酢を使ったレシピが満載!くらしプラ酢」Facebookページにおいて、新発売した「お肉をおいしくするお酢」のプロモー ションとして、お酢に関するクイズに答えてプレゼントが当たるキャンペーンを実施しました。クイズは新商品に関するものとなっており、新しい商品の認知・ 理解をクイズを通して図るもの。同キャンペーンページには多くのいいね!やコメントが集まりました。
・事例9:自社サイトで「いいね!」なモデル投票を募集+Facebook上でプレゼントキャンペーンを実施/GDO(GolfDigest Online)
URL:http://shop.golfdigest.co.jp/newshop/f/contentsid_2012club_alrt_adfb-rbmoni01_
ゴルフダイジェスト・オンラインは、自社サイト上で、2012年各社最新モデルの人気投票を行う「みんなで選ぶ2012年最新クラブ」ページを展開。あわせて、最もいいね!を獲得したドライバーを抽選で1名にプレゼントするキャンペーンをFacebookページ上で実施しました。ファンに各社最新モデルを紹介するだけでなく、「自分だったらどれが欲しいか?」と考えさせる、面白いキャンペーンと言えます。
ソーシャルメディア上で話題になる「新商品・新企画」プロモーションの共通点とは?
以上の9つの事例を見ると、以下3つの共通点があることが分かります。
・ある程度時間をかけて期待感を醸成
発売日までのカウントタイマーを設ける、商品開発プロセスを公開するなど、ある程度の時間をかけて「発売日」への期待感を醸成することで、ファンとの関係性を深め、またソーシャルメディア上で話題にしてもらうことを期待できます。
・ファンが参加する仕組み
ファンに商品開発のプロセスに参加してもらう、キャンペーン賞品を決める人気投票に参加してもらうなど、ファン自身が「新商品・新企画」に参加する仕組みを取り入れることで、関心を高めることができるでしょう。
・「人に言いたくなる」要素
発売前に自分「だけ」はすでにサンプルを手にしている、自分も開発プロセスに携わった新商品が発売される等、人に思わず言いたくなるような要素を取り入れることで、話題にしてもらいやすくなるでしょう。
尚、最も大切なことは、あくまでユーザーが自ら好んでクチコミしたくなるような話題を提供することです。ユーザーに無理やりクチコミしてもらおうとしたり、またいわゆる「ステマ」ともみなされるような手法を取ったとしても、話題になるばかりか、新商品や新企画の評判を落とすことにつながります。
以上、今回は「新商品・新企画発表時の話題作りとして参考になる9つの事例」をご紹介しました。今後さらにどのような事例が出てくるのか?とても楽しみですね。
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2012.06.18
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