こんにちは、SMMLab研究員の小川です。
2011年8月31日にmixiページが発表されてから、早2カ月近くが経過しました。
先週10月20日には、mixiのホーム画面(トップページ)にmixiページへのリンクが登場、mixiページの検索機能が追加、アクセス解析が開始等、新機能が追加され、進化を見せ始めているmixiページですが、今後どのように展開していくのでしょうか?また、企業によるmixiページの活用は進んでいくのでしょうか?
今回のSMM Labでは、これまでのミクシィにおける企業の取り組みや、ミクシィの特徴をご紹介しながら、今後についての考察をしてみたいと思います。
■これがミクシィの底力?ソーシャルラジオ企画に130万人が参加 ローソンへの送客数は42万人
先週、ミクシィが2011年8月4日から8月29日の間開催していた「ソーシャルラジオ」番組企画「SCHOOL OF LOCK! サマースクール presented by AXE」の参加者が、最終的に130万人にのぼったと発表されました。友人同士のソーシャルグラフの中での話題の伝播も見られ、キャンペーン開始日と最終日を比較すると、一緒に参加している友人の数は1人あたり約 5倍まで増加したそうです。
さらに、期間中に「SCHOOL OF LOCK! サマースクール presented by AXE」に参加するとローソンが展開するクーポンのプレゼントがもらえるキャンペーンを実施したところ、ローソン店頭の端末におけるクーポン引き換え枚数は約42万枚にのぼり、ローソンが実施したクーポンキャンペーンの中で過去最大規模の結果を残すことができたといいます。
【キャンペーン概要】
「SCHOOL OF LOCK! サマースクール presented by AXE」
TOKYO FM の人気ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」と連動したコーナーで、mixi から同コーナーにログインすると、聴取者同士がおしゃべりする感覚で番組の各種企画に参加することができるもの。
・夏休み中に愛の告白をしたい男性リスナーを募集するという内容
・mixiにはPC向け特設サイトが用意された。教室をイメージさせる画面構成となっており、mixi内のマイミクを呼び出して、机を並べながらおしゃべりする感覚でコメントの投稿などが行える仕組み。
・放送中は常時「胸キュンボタン」を押すことができる。番組内で披露される告白セリフへの支持表明に使えるだけでなく、司会者の発言やかかった楽曲など、さまざまなシーンへの反応に利用でき、集計結果は「胸キュンメーター」にリアルタイム表示されるよう工夫された。
・番組放送に合わせて、ローソンのクーポンが先着順で配布された。
参考記事:japan.internet.com 「ミクシィ、初の「ソーシャルラジオ」の実施結果を発表 — 約130万人が参加、約42万枚のクーポンを発行」(2011/10/12)
では、この企画はなぜここまで大きな成果を残すものとなったのでしょうか?その理由について、以下2つのデータから考えてみます。
■データ1:mixiは依然として日本最大級のソーシャルネットワーキングサービス
2004年2月からサービスを開始したmixiは、会員数2, 471万人、月間ログイン数1, 535万人(2011年7月時点。ミクシィIR資料より)を誇る日本最大級のソーシャルネットワーキングサービスです。
via:株式会社ミクシィ 2011年度第一四半期決算説明会
最近はTwitterやFacebookの勢いばかりがニュースとして取り上げられていますが、会員数だけでなく、PCのページビュー数(2011年9月時点でmixiはFacebookの約3倍、Twitterの約4.7倍)や総利用時間数(2011年9月時点でmixiはFacebook、Twitterの約3倍)を見ても、現段階では圧倒的にmixiが強い状況です(ただしこの数値にはモバイルの数字が含まれていません)。
via:in the looop ブログ「mixi, Twitter, Facebook, Google+ 2011年9月最新ニールセン調査。一般公開でGoogle+急増、200万人超に」
■データ2:mixiユーザーの特徴は、「20代」、「モバイル」、「リアルのつながり」
左図の通り、mixiユーザーの最大の特徴は、20代が圧倒的に多い点にあります。また、モバイルからの利用が過半を占めていることも特徴です(特に女性にモバイルユーザーが多いようです)。
via:株式会社ミクシィ THINK SOCIAL 「mixiの「いま」がわかるインフォグラフィック」
また、下図を見ていただくと、mixiがFacebookやTwitterに比べて、よりリアルの友人関係とのコミュニケーションに用いられていることが分かります。「どうやって友人を探しましたか?」の質問をご覧いただくと、特に女性にその傾向が強いことが分かります。
via:株式会社ミクシィ THINK SOCIAL 「mixiのつながりを紐解くインフォグラフィック」
また、従来のmixiは「日記」でのコミュニケーションがメインでしたが、ミクシィボイス、チェック、イイネ!などの機能が導入されたことにより、総コミュニケーション数も伸びているようです。
via:株式会社ミクシィ 2011年度第一四半期決算説明会
上記のデータから見えてくるように、今回の「ソーシャルラジオ」の企画は、
・企画内容がミクシィのターゲットにぴったりとマッチしたこと
・リアルで深いソーシャルグラフの中に自然と広まっていったこと
・母数が日本最大級のものであったこと
が成功要因と言えるのではないでしょうか。
■友人が登場するソーシャルバナーは、通常のバナーと比較して10倍以上のCTR!
また、同じくミクシィ上の「リアルなつながり」が効果を生み出した事例があります。
ミクシィが今年5月31日~6月20日までの21日間開催した「NIKE FRIEND STUDIO」キャンペーンへの誘導広告バナーに、自分の友人が登場する「ソーシャルバナー」を導入したところ、通常のバナーと比較して10倍以上のCTRという実績が出たとのことです。
「NIKE FRIEND STUDIO」キャンペーンへの来訪ユニークユーザー数は213万人に上り、さらにそのソーシャルリーチ率(「ソーシャルバナー」または「mixiチェック」経由でのキャンペーンサイトへの来訪率)も80%に達したとのことです。
via:株式会社ミクシィ 2011年度第一四半期決算説明会
参考記事:株式会社ミクシィ THINK SOCIAL 「ソーシャルバナー 速報値 ~CTRが16倍に~」
■mixiページのいまと、”これから”
さて、振り返って、8月31日からスタートしたmixiページの現状はどのようになっているでしょうか?
ミクシィによれば、mixiページ登録数はすでに10万に達しているとのことですが、中身を見てみると、まだまだ一つ一つのページの規模感や質はFacebookには及ばない状況のようです。
mixiページランキング ファン数の多い企業でも2万人程度
via:mixiページ.net
facebookページランキング ファン数は数十万人規模
via:facenavi facebook日本語ページ総合ランキング
mixiページはまだ開始して2ヶ月あまりのため、Facebookページとそのまま比較することはできませんが、上記のように、現在各ページのファン数には大きな開きがあります。しかしながら、左のNIKE SPORTWEARのmixiページのように、一投稿へのファンからのいいね!数が500程度まで伸びているものもあり、一部のmixiユーザーには、ページ自体の存在が浸透してきている状況と言えます。
先に記載した「ソーシャルラジオ」や「ソーシャルバナー」の実例を考えても、今後mixiページの使い勝手が増し、企業・ブランド側が、mixiユーザーに受け入れられるコンテンツを提供していくことができれば、Facebookと同様に、十分拡大していく可能性があるのではないでしょうか。
現在は、まだ「まずはmixiページを開設する」という段階にある企業が多いようですが、徐々に、企業によるmixiページキャンペーンの事例も生まれ始めました。
・via:期間限定!! 佐々木希ミュージックmixiページ(佐々木希さん新曲プロモーションキャンペーン)
・via:楽天市場公式ミクシィページ 100, 000ポイント シークレット山分けキャンペーン
実は弊社アライドアーキテクツ株式会社も、上記佐々木希さんのキャンペーンページのアプリを提供しているのですが、同様に、mixiページ向けのキャンペーンアプリ提供や、またページ構築のサービスを行う企業も出始めています。
(参考:アライドアーキテクツ、mixiページ用キャンペーンアプリの提供を開始 ~第一弾として、佐々木希さん公式mixiページの動画投稿コンテストアプリを開発~)
今後も、純国産ソーシャルネットワーキングサービスであるミクシィによる「mixiページ」の拡大に、ぜひ期待したいと思います。
以上、今回は分かる範囲ではありますが、mixiのこれまでとこれからについて、概要をまとめてみました。
尚、今後mixiページ作成を検討される方は、以下nanapiのページに、非常に分かりやすく作成方法がまとめられておりますので、ご覧ください。
nanapi:「mixiページ」の作り方・使い方
また、mixiページでのキャンペーンをご検討される方は、弊社(アライドアーキテクツ株式会社)に、ぜひご相談ください。
お問い合わせ先:http://fan-app.monipla.jp/contact?ref=1027
*尚、mixiにも、Facebook同様に、mixiページの商用利用に関する規定等を定めた「mixiページガイドライン」というルールが存在しますので、ご注意ください。
mixiの“これまで”と“これから”についてのまとめと考察
2011.10.27
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